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とっとり技術NEWS21号(抜粋版)

とっとり技術NEWS No.21(2021年10月発行)

特集 ~センターの研究紹介~

センター研究紹介

最新の研究成果の紹介

当センターでは、企業のみなさまが抱える技術課題や、製造業の社会ニーズに対応した研究開発を行っています。 本号では、最新の研究成果を紹介します。過去の研究成果も、当センターのホームページに紹介していますので、研究成果の活用や共同研究に関心のある方は、当センターにお問い合わせください。


■人工知能を用いた外観検査判定精度向上技術の開発

電子システムグループ 主任研究員 福留祐太

研究成果

■ハンドセンサを用いたパワーアシスト調整機能付き簡易装着型ロボット介護機器の開発 

機械・計測制御グループ 上席研究員 吉田裕亮

研究成果

■乳酸菌を活用した魚醤油の付加価値向上

水畜産食品グループ 研究員 藤光洋志

研究成果

技術支援企業紹介 県内企業の新製品・新技術

技術支援企業紹介~県内企業の新製品・新技術~

【1】マスク補助パーツの開発
(株式会社ケイケイ)~マスクと口元に程よい快適空間を生み出す補助パーツ~

新商品概要

マスク補助パーツ

  新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため新しい生活様式が取り入れられ、マスクの着用が当たり前の日常になりました。マスクをしたままで長時間の会話や運動をしたとき、蒸れたり息苦しくなったりした経験はないでしょうか。
  この課題を解決するため、強固な十字バーの周りを柔軟に変形可能なアーチ状の部品で囲み、マスクと口元に程よい快適空間を確保可能なマスク補助パーツを製品化しました。十字バーが空間を確保するとともに、アーチ状部品がマスクと肌の間に隙間を作ることなく口元の動きに追従することを可能にしました。また、接触面が少ないため肌にも優しく、違和感を低減することにも成功しました。鳥取大学医学部附属病院で試験的に装着していただいたところ、大変好評でした。

センターとの関わり

 主に医療機器の自社製品化に向けた試作開発において、3Dデジタルものづくりに関する技術支援をしていただいています。今回の案件も、我々のアイデアを具現化していただくため技術相談させていただき、3Dプリンター等を活用した試作評価を重ねることで、最適形状を導くことができました。
また、歯科医療で頬粘膜を保護するための器具「オーラルシェル」の商品化や平成30年度とっとり発医療機器開発支援補助金に採択されて実施した共同研究「圧迫圧調整式包帯巻き具の開発」など、様々な医療機器の開発に協力していただいています。

今後の展開

現在、特許出願も終え、商品名「マスクサポート」として販売を開始しています。さらに、医療機関向けには、鳥取大学発ベンチャー企業である医療機器製販メーカー株式会社メディビートと協力し、「インナーアーチ プラス」として販売しました。購入いただく方は女性が多く、様々な意見をいただいていることから、女性用に特化した改良品も開発中です。

【株式会社ケイケイ】

当社は、射出成形、射出成形金型、ダイカスト金型、金型製作・設計を行ってきました。最近では、鳥取大学医学部附属病院のニーズに対応した医療機器開発や100%天然由来のバイオマス材料の量産化に成功するなど、独自製品の開発にも力を入れています。今後も、産業技術センターに協力いただきながら、市場ニーズに沿った商品を迅速に市場投入できるように製品開発を行っていきたいと思います。(代表取締役会長 内藤 邦武 氏)

・所在地:鳥取県八頭郡八頭町郡家199-1
・電話:0858-72-1122
・URL: http://keikei.co.jp/
・事業内容:射出成形、射出成形金型、ダイカスト金型、金型製作・設計

【2】塑性流動解析シミュレーションによる金型形状の改良
サンライズ工業(株) ~冷間鍛造プロセスの可視化による工程設計の改善~

新技術概要

塑性流動解析シミュレーション

機械装置部品や機械要素部品の冷間鍛造の工程設計には、①ブランク(加工前の素材)の形状・寸法の検討、②金型の形状や材質、表面処理の検討、③複数ある金型の動作タイミングの検討など、技術者を悩ませる様々な課題があります。鍛造技術者は、これらの課題を個別に、さらには総合的に最適化させ、お客様から求められる品質を満たす製品を提供しています。しかし、工程設計が不適切な場合、製品に割れやバリ、しわ、段差などの製品不良が発生することがあります。 
サンライズ工業(株)では、これまでに各種鍛造製品の製造実績がありますが、このたび新たに手がけた製品の試作において、前述のような不良が発生し、目の前の不良を解決しようとすると、別の不良が次々と発生し、担当者では解決できない状態に陥ってしまいました。 
 そこで、産業技術センターの支援のもと鍛造加工シミュレーションを活用して不良発生原因の推定とその対策に取り組みました。シミュレーションで加工中の素材の流れを可視化したところ、不良は金型への素材の充満不足に起因して発生している可能性が高いことがわかりました。この結果に基づき、各種の金型やブランク形状で再解析した結果、不良対策に有効と考えられる金型形状等を抽出することができ、暗礁に乗り上げていた製品試作が大きく前進しました。 

 
センターとの関わり

  日頃から、素材(鋼やステンレス鋼)の機械的性質や金属組織学的な評価、めっきやPVDなど硬質被膜の耐食性や密着性の評価、製品の不良原因調査など、センターの装置や技術を利用させていただいております。

今後の展開

 このたび、鍛造シミュレーションにはじめて取り組み、当該解析技術の有効性を確認することができました。今後は、社内で解析を行える人材の育成を進めていきたいです。 

【サンライズ工業(株)】

塑性流動解析シミュレーションを活用し解析することで、長年の経験や勘の部分を可視化でき、当社の課題となっていた本問題の解決につながりました。また問題解決した内容を言語化することで、技術の継承や人材育成のスピード化にも期待できます。今後も産業技術センター様とタッグを組み、製・技・販のワンストップでの提供を模索したいと考えております。(代表取締役社長 仁保 晶議 氏)

・所在地:鳥取県鳥取市国府町庁117-1
・電話:0857-23-2731
・URL: http://www.sunrise-ic.jp/
・事業内容:あと施工アンカーの製造・販売 各種鋼球の製造・販売  表面処理加工(イオンプレーティング)

【3】冷凍を応用した柿ピューレ製造工程の改善
一般社団法人 物産観光やず ~渋戻りしない美味しい柿ピューレを提供します~

新技術概要

渋戻りしない美味しい柿ピューレ

一社)物産観光やずは、地元の農産物を使った特産品の商品開発・販売を目的に平成24年に設立し、二十世紀梨ピューレを始め、渋抜きした「西条柿」のピューレや「花御所柿」のピューレを製造し、菓子メーカー等に販売しています。
「西条柿」は、渋抜きすると上品な甘さととろけるような食感が特長の柿で、和菓子などに適していますが、一旦渋抜きしたものでも加熱すると渋戻りするために、菓子などに使いにくい素材でした。長期間冷凍保存することで渋戻りしない西条柿ピューレを製造していましたが、一時期に大量に入荷する柿の処理には、毎年苦労していました。このたび、原料の柿を洗浄、分割して真空包装してから一旦冷凍保管し、手の空く時期に解凍してピューレに加工する新たな製造工程を導入した結果、作業効率が大きく改善され、ピューレの品質向上にもつながりました。
昨年、新たに「輝太郎柿」の加工委託にも応用し、できあがった輝太郎柿ピューレは、新商品の柿甘酒に使われています。

センターとの関わり

渋抜きした西条柿ピューレを長期間冷凍保存することで渋戻りしなくなる技術は、食品開発研究所が開発された技術を導入したもので、設立以来、継続して支援を受けています。毎年苦労していた柿ピューレの製造工程を改善できる技術を新たに開発したので導入してみないかとの提案を令和元年に受け、試してみたところ、設備投資なしで導入できることが確認でき、令和2年から本格的に技術導入しました。

今後の展開

西条柿ピューレだけでなく、花御所柿ピューレや輝太郎柿ピューレも効率的に量産化できるようになりましたので、菓子等の加工原料として提供するだけでなく、これらの柿ピューレを活用した新商品開発にも取り組んでいきたいと思います。

【一般社団法人 物産観光やず】

 毎年、柿のシーズンには、入荷した柿を加工する際に、作業工程ごとに人手が分散されるために、処理作業に追われ苦労していました。この技術を導入してから、収穫期には、洗浄・分割・真空包装までの処理に集中することができ、作業効率が大幅にアップし、品質向上も達成することができました。(営業課長 上田 啓輔 氏)

・所在地:鳥取県八頭郡八頭町坂田30
・電話:0858-72-3257
・URL: https://yazukoubou.com
・事業内容:柿や梨のピューレ、たけのこ水煮など農産物、惣菜、菓子等の製造、受託加工

センターお知らせバナー

■リアルなお困りごとの解決の糸口として
~樹脂やゴム材料等の分析・評価技術データベースの紹介

産総研中国センター

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 中国センターのホームページ「樹脂やゴム材料等の分析・評価に関わる技術情報データベース&研究者・グループ名鑑」に当センターの技術情報と職員のインタビューが掲載されました。 当センターのみならず、産業技術総合研究所及び中国地方の公設試験研究機関における、樹脂(プラスチック)やゴム材料等の分析事例等の技術情報(事例)が公開されています。 樹脂(プラスチック)・ゴム・セルロースなどを対象に、お困りごとの内容や具体的な原料・材料等を検索キーワードとして、分析事例の技術情報の絞り込みが可能です。
 製造現場でのリアルなお困りごとに対する解決の糸口や、技術相談の起点として是非ご活用下さい。

センター研究員紹介

■今後のセミナー・講習会のご案内(10月、11月)

開催日 内容 お問い合わせ先
10/13(水)~ 産業用ロボットの基礎と実践的ピッキング演習 座学= 10/13 実技=① 10/21-22 ② 10/28-29 ③ 11/4-5 ④ 11/11-12 ※実技は4回のうちから 1 回 機械素材研究所
 電話(0859)37-1811
10/14(木)
15(金)
分析技術能力強化事業第2回講習会 「熱分析 困ったときの測定テクニック~熱分析における測定手法の選び方と応用解析~」 電子・有機素材研究所
 電話(0857)38-6200
10/15(金)
10/22(水) 美味しい冷凍ブロッコリーをつくってみませんか?食品開発と健康に関する研究会 第8回農・畜産物加工分科会 食品開発研究所
 電話(0859)44-6121
11/ 2(火) 地元で獲れる水産物の有効活用セミナー
11/10(水) 令和 3 年度鳥取県産業技術センター活動成果発表会 企画・連携推進部
電話(0857)37-6205
11/19(金) 電子・有機素材研究所
 電話(0857)38-6200
11/12(金) 木質建材等開発支援事業勉強会「木材の耐候性・耐久性 現状と展望」
11/26(金) 次世代自動車関連技術研究会(WS3)(構成部品軽量化) 機械素材研究所
電話(0859)37-1811
11/下旬 次世代自動車関連技術講演会 (エコカー部品開発)
11/19(金) 産業技術支援フェア in KANSAI 2021
当センター職員が講演 「サワラで煮干し作っちゃいました」
<オンラインで聴講いただけます>
http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=34223
企画・連携推進部
電話(0857)37-6205

※開催日程や内容の詳細が決まり次第、随時、 センターホームページ(https://tiit.or.jp/) でご案内します。
※新型コロナウィルスの感染拡大状況を踏まえ開催日程や内容に変更が生じる場合があります。

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