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当センター楠本研究員が第53回日本IE(インダストリアル・エンジニアリング)文献賞を受賞しました

当センター楠本研究員が投稿した「鳥取県におけるロボットを活用した生産性向上支援の取組」が、人口減少が厳しい地方における製造業の付加価値化への挑戦として広く製造業の参考になる点が高く評価され、日本インダストリアル・エンジニアリング協会(※1)のIE(※2)文献賞を受賞しました。
この賞は、1971年の第1回からIEの発展と普及に寄与することを目的に、日本インダストリアル・エンジニアリング協会発行の「IEレビュー」に掲載された文献から優れた論文や記事を表彰している歴史ある賞です。
当センターのとっとりロボットハブを活用した企業の生産性向上やDX化支援の取組(※3)が認められたものであり、引き続き、製造現場のニーズをとらえた技術支援に取り組んでまいります。

↓内容はこちらからご覧いただけます。                                                              Icon 生産性向上に取り組むものづくり企業の支援について.pdf (2.4 MB)

 


受  賞  者      電子・有機素材研究所 電子システムグループ(DXプロジェクトメンバー)
        研究員 楠本 雄裕(クスモト カツヒロ)
 
※公設試の研究者の受賞は楠本氏のみ
受賞内容       貢献賞 「生産性向上に取りくむものづくり企業の支援について」
                           「IEレビュー」331号掲載 Vol.64No.3 2023.8.IE Review
                           「IEレビュー」の編集委員会は、大学や企業でIEの研究や実践・普及に携わる約30名の委員で構成。
                             〇参考 第53回「日本IE文献賞」受賞状況
                            貢献賞5件(IEの普及、発展に著しく貢献するような諸活動の報告) 
                            他の受賞者:AGC㈱、リコーインダストリー㈱、住友電気工業㈱等の研究者 

【受賞理由】                                                                                           ・ものづくり基盤を強化するために進めてきた支援の内容が体系的に記述されており、人口が減少していく地域で、ロボットを活用しながら生産性向上を着実に進めている活動内容は、広く製造業の参考となるため。                                                                              ・特にAI・IoT・ロボット技術の導入の際に、ユーザー企業の導入効果が不透明という課題を解決すべくロボットハブを準備し、活用に関する検証を進めている。
・プログラミング作成やSIer育成などを実際に進め、ハード、ソフト、人材の育成・支援を、ユーザー企業と一体となり協働しながら進めている。

【記事概要】                                                                                                 鳥取県は、製造業の製品出荷額が全国で第45位とその額は小さいながらも県内の全産業に占める製造業の割合が高く、県内の主要な産業となっている。一方で鳥取県の人口減少が続く中、人手不足は深刻であり、製造業の生産性向上のための製造工程の改善、効率化が不可欠となっている。AI、IoT、ロボット技術のニーズ調査を実施し分析を行なった結果、その技術活用を検討するユーザーの知識不足、人材不足、ロボットなどの実機に触れる機会がないことから、ロボットなどを製造工程に導入した際に、製造工程への適用先や導入により得られる効果が不明との課題が抽出された。そこでAI、IoT、ロボット技術を製造工程に導入することを想定し、その実装支援拠点として2019年12月に「とっとりロボットハブ」を同センター内に開設した。
記事では企業支援の事例、開催したセミナー、技術研修を紹介し、これらの支援者でもあるSIerを支援するスキームについても紹介しています。


※1 日本インダストリアル・エンジニアリング協会
インダストリアル・エンジニアリングに関しての「産」「学」一体による教育訓練活動や研究活動、ならびに情報提供などを通じ、IEの普及とインダストリアルエンジニアの育成および、国内産業の生産性向上と経営合理化を目指す団体。1959年(昭和34年)に設立し、現会員数は法人149社、個人135名。
※2 インダストリアル・エンジニアリング(IE)
製造における作業工程、作業内容を科学的に分析する手法。業務改善を行う技術のひとつであり、現在では大手自動車メーカーをはじめ、様々な企業の製造現場で活用されている。
※3 当センターのDX推進の取組
鳥取県産業技術センターでは令和5年度より「SDGs・カーボンニュートラルに向けた取組」を活動方針とし、重点プロジェクトとして「DX推進による生産性の向上」等を掲げ、製造工程を含めた工場全体のDX化を支援しています。

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